例年よりやや収穫時期が早まっているようです。
今日も多くのお年寄りが外来に来てくれました。
私がこの病院へ来て12年が過ぎましたので、
当時から通ってくださっている方は、
その分、年を重ねたことになります。
時々カルテを繰って、十年前の記述を見てみることがあります。
当時の体重、血圧、検査成績など、
結構、変化しているものなんですね。
本人に話すと驚かれることも多いのですが、
ヒトというのは、こんな単純なパラメーターさえ、
年とともに変化していることに気づかされます。
体重でいえば、筋肉量が落ちた分だけ減少したり、
脂肪に置き換わっただけ逆に増加したり、
変化の評価には、しっかりとした分析が必要です。
単純な身体計測項目でさえこうですから、
ご高齢の方の人生、生き様に関わることとなると、
これは壮大な長編小説、大物語になります。
この辺を十分に理解して接しないと、
医療はあらぬ方向へ向いてしまいます。
少なくともお年寄りの尊厳を守れなくては、
まともな医療とは呼ばれないでしょう。
高齢者医療と介護の奥深さ。
どうか多くの方に感じ取っていただきたいと、
いつも思っています。
秋葉丘陵から見た蒲原平野(中央が当院)